治療薬問題集
「総説Q 治療薬HBからの挑戦状!」は治療薬ハンドブック各章の総説に記載されている内容から作成された問題集です。
①問題を解く → ②総説で確認、の2ステップで「薬を学ぶ」にも使えます。
どの問題も、すきま時間にトライしやすい4択式。難易度はさまざまで、意外と忘れがちな知識の復習、スタッフの教育、学生の国試対策にもおすすめです。
次の文中のa,bの組み合わせとして正しいものはどれか。
全身麻酔の維持(全静脈麻酔)には,[ a ]が鎮静薬として使用され,鎮痛薬としては麻薬のレミフェンタニルが使用されている。[ a ]を使用する際には,安定した血中濃度を維持するために,目標濃度調節静注([ b ])が行われる。全身麻酔の導入にも[ a ]が主に使用されている。
(ア) a:ロピバカイン b:ACI
(イ) a:ロピバカイン b:TCI
(ウ) a:プロポフォール b:ACI
(エ) a:プロポフォール b:TCI
次の文中の[ ]に入るものはどれか。
レミマゾラムは,プロポフォールに比べ循環抑制作用が少なく,投与時の静脈痛がなく,覚醒遅延時には[ ]により作用を拮抗できるなどの特徴がある。
(ア)フルマゼニル
(イ)ミダゾラム
(ウ)ジアゼパム
(エ)フルニトラゼパム
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)ベンゾジアゼピン系薬は、催眠、抗不安、抗痙攣、筋弛緩の4つの作用を有する
(イ)非ベンゾジアゼピン系薬は,ベンゾジアゼピン系薬よりも依存や耐性が起きにくい
(ウ)メラトニン受容体作動薬は,ベンゾジアゼピン系薬よりも催眠作用が強い
(エ)オレキシン受容体拮抗薬は,筋弛緩作用がなく高齢者に使いやすい
薬剤名と半減期の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)ゾルピデム ―――――― 半減期:2時間
(イ)エスゾピクロン ―――― 半減期:10時間
(ウ)エスタゾラム ――――― 半減期:21時間
(エ)ハロキサゾラム ―――― 半減期:85時間
抗てんかん薬の服薬指導時に患者に伝える内容として,適切なものはどれか。
(ア) 「規則正しい生活,服薬を心がけましょう。服薬時間がずれた場合はその日のうちに1 日量全量を内服する必要はありません」
(イ)「治療開始直後に発作は改善しますが,皮疹,ふらつき,めまいなどの副作用には注意してください」
(ウ)「治療が1年以上にわたることはまれなので,数カ月で改善がみられない場合はご相談ください」
(エ)「緊急時のために若干多めの薬を持っておきましょう」
欠神発作で推奨されない抗てんかん薬の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ESM:エトスクシミド,GBP:ガバペンチン,OXC:oxcarbazepine,PHT:フェニトイン,PGB:プレガバリン,LTG:ラモトリギン,VPA:バルプロ酸,TGB:tiagabine,VGB:ビガバトリン,CBZ:カルバマゼピン)
(ア)ESM,GBP,OXC,PHT,PGB,LTG,VPA
(イ)ESM,LTG,VPA,PHT,PGB,TGB,VGB
(ウ)CBZ,GBP,OXC,PHT,PGB,TGB,VGB
(エ)CBZ,GBP,OXC,PHT,ESM,LTG,VPA
抗パーキンソン病薬に関する記述として,正しいものはどれか。
(ア)L−ドパ含有製剤は,効果が現れるまで時間がかかる
(イ)ドパミン作動薬のうち,ブロモクリプチン,ペルゴリド,ロピニロールは麦角系である
(ウ)抗コリン薬は,エビデンスはないが経験的に振戦に効果があるといわれている
(エ)アデノシンA2A受容体拮抗薬は,ウェアリングオフ改善のため5~10mgを1 日1 回投与する
次の文中の[ ]に入るのはどれか。
オピカポンは[ ]の投与でウェアリングオフの治療が可能であり,長期処方が可能となった
(ア)1日1回
(イ)1日2回
(ウ)1週間に1回
(エ)2週間に1回
a~dが説明する抗精神病薬の組み合わせとして正しいものはどれか。
a:セロトニン5−HT2A,5−HT7 受容体にアンタゴニストとして作用し,セロトニン5−HT1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用する。双極性障害のうつ状態にも有効である。
b:ドパミンD2受容体に非常に強い親和性をもつ一方で,この受容体に対して部分アゴニスト(約30%の内活性)として作用する
c:内服の徐放錠と持効性筋注製剤の2 剤形があり,徐放錠は浸透圧勾配を利用した放出制御機構であるOROSを採用し,1 日1 回投与で安定な血中濃度を維持できる。
d:薬物治療抵抗性統合失調症に対しても効果が期待できる唯一の薬剤であり,世界の100 近い国々で使用されている
(ア)a:パリペリドン b:アリピプラゾール c:リスペリドン d:クロザピン
(イ)a:ルラシドン b:アリピプラゾール c:パリペリドン d:クロザピン
(ウ)a:ルラシドン b:ブロナンセリン c:パリペリドン d:オランザピン
(エ)a:パリペリドン b:ブロナンセリン c:リスペリドン d:オランザピン
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)オランザピン,クエチアピン,クロザピンは糖尿病患者に使用禁忌である
(イ)非定型抗精神病薬の忍容性のメリットは,錐体外路症状などの筋・運動系副作用が少ないという点であり,それ以外の代謝系副作用(血糖値上昇,脂質代謝障害)や心循環系の副作用は,従来の定型薬と同等,あるいはそれ以上の可能性がある
(ウ)抗精神病薬の多剤併用や大量処方は心循環系の突然死のリスクを悪化させることがわかっており,非服用者と比較したときの突然死のリスクは,定型薬でも非定型薬でも同様に,CP 換算量が増えるに従って増大する
(エ)持効性抗精神病薬「ゼプリオンTRI水懸筋注」を使用するためには,「ゼプリオン水懸筋注」を他の抗精神病薬を併用せずに,4カ月以上継続投与し,その安全性・忍容性が確認され,かつ精神症状が安定しているという条件を満たす必要がある
抗うつ薬の分類として正しいものはどれか。
(ア)デュロキセチン ーーーー SSRI
(イ)ベンラファキシン ーーー SSRI
(ウ)エスシタロプラム ーーー SNRI
(エ)ミルタザピン ーーーーー NaSSA
抗うつ薬と国内の適応の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(MDD:大うつ病性障害,OCD:強迫性障害,SAD:社交不安障害,
PD:パニック障害,PTSD:外傷後ストレス障害,GAD:全般性不安障害)
(ア)フルボキサミン ーーーー MDD,OCD,SAD
(イ)セルトラリン ーーーーー MDD,PD,PTSD
(ウ)エスシタロプラム ーーー MDD,SAD
(エ)ベンラファキシン ーーー MDD,PD,SAD,GAD
抗認知症薬(ドネペジル,リバスチグミン,ガランタミン,メマンチン)の説明として正しいものはどれか。
(ア)4剤のうち1日の推奨治療量が最も多いのはリバスチグミンである
(イ)4剤のうち蛋白結合率が最も低いのはガランタミンである
(ウ)4剤とも1日の使用回数は同じである
(エ)4剤ともコリンエステラーゼ阻害薬に分類される
抗認知症薬の服薬指導時に患者に伝える内容として,不適切なものはどれか。
(ア)「抗認知症薬は認知症の進行自体を止めることはできません」
(イ)「独居の場合は,認知症が重度に進行したら服薬確認できる体制を整えることが必要です」
(ウ)「脳循環・代謝改善薬の効果は非常に穏やかであり,効果については即断せず服薬を継続することが大切です」
(エ) 「脳血管障害後遺症,頭部外傷の慢性期は理学療法(リハビリテーション)も併用することが重要です」
中枢性筋弛緩薬の記述として,正しいものはどれか。
(ア)チザニジン,バクロフェンを開始薬とし,効果がない場合や症状が重度の場合にエペリゾン,クロルフェネシンカルバミン酸エステルなどを用いる
(イ)チザニジンはα1作用に基づく血圧低下がみられる
(ウ)チザニジンはCYP3A4阻害薬との併用禁忌に留意する
(エ)バクロフェンは痙縮症例に対して髄腔内投与が可能で,注入ポンプを留置した持続髄注が実施される
末梢性筋弛緩薬の記述として,誤っているものはどれか。
(ア)ロクロニウムは気管挿管や喉頭痙攣時の気道確保時に有用であるが,短時間作用(完全回復まで10 分程度)であるため筋弛緩維持には適さない
(イ)ロクロニウム,ベクロニウムはアセチルコリンによる神経筋刺激伝達を阻害し,スキサメトニウムは強烈な脱分極を起こす
(ウ)悪性高熱症の治療でダントロレンを静脈内投与中は,高血圧や頻脈に対するベラパミルなどのカルシウム拮抗薬の併用は避ける
(エ)A型ボツリヌス毒素は,眼瞼下垂を避けるために上眼瞼挙筋周囲への投与を避ける
抗コリンエステラーゼ薬の特徴として正しいものはどれか。
(ア)ピリドスチグミン ーーー 効果発現まで1時間程度で,3 ~ 4 時間持続し,副作用はアンベノニウムより少ない
(イ)ネオスチグミン ーーー 筋注で使用されることが多く,5~10 分で効果発現する。球症状が強く,内服困難な場合などに使用される
(ウ)ジスチグミン ーーー 薬効は弱いが,持続時間が長く,副作用も少ない。眼筋型に優れ,また,点眼薬が主に緑内障や調節性内斜視に使われる
(エ)アンベノニウム ーーー 重症筋無力症の治療において唯一静注可能な抗ChE 薬であり,非常に短時間で効果を発現する
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)成人の重症筋無力症患者には病型を問わず抗コリンエステラーゼ薬が有効であり,第1選択薬である
(イ)多発性硬化症の急性増悪期の治療では,高用量のステロイド療法は避けるべきである
(ウ)多発性硬化症の再発予防を目的として病態修飾薬が用いられる
(エ)フマル酸ジメチルはNrf2 経路を活性化し,抗酸化ストレスを軽減し,またNf−κBを介して抗炎症作用を発揮する
次の文中のa~dの組み合わせとして,正しいものはどれか。
片頭痛の障害生存年数は全疾患中,世界で第2 位,日本で第[ a ]位となっている。予防療法に関しては,Ca 拮抗薬,β 遮断薬,[ b ]などが用いられてきたが,効果が得られない場合や長期間使用による安全性への懸念が課題となっていた。近年,片頭痛の病態においてCGRPが重要な役割を果たすことが明らかにされ,わが国においても片頭痛の予防療法として抗CGRP 抗体(ガルカネズマブ,[ c ]),抗CGRP 受容体抗体([ d ])が上市された
(ア) a:ロピバカイン b:ACI
(イ) a:ロピバカイン b:TCI
(ウ) a:プロポフォール b:ACI
(エ) a:プロポフォール b:TCI
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)中等度以上の片頭痛発作では,禁忌となる状況がなければトリプタン系薬剤を使用する
(イ)トリプタン系薬剤は,早期服用(発作開始30 分以内)のほうが治療の効果がみられる
(ウ)片頭痛予防薬のうち,現在保険適応が可能で使用されるのはロメリジンとバルプロ酸のみである
(エ)トリプタン系薬剤の皮下注は即効性があり有効率も高い。わが国でも自己注射ができるようになり,重症型には有用である
緑内障治療薬と分類の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)ブリモニジン―――α1β遮断薬
(イ)イソプロピルウノプロストン―――プロスタグランジン関連薬
(ウ)ジピベフリン―――交感神経非選択性刺激薬
(エ)ドルゾラミド―――ROCK阻害薬
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)フルオロキノロン系点眼薬で小児や乳幼児に対して安全性のエビデンスが得られているのはトスフロ/オゼックス点眼薬だけである
(イ)トリアムシノロンアセトニドは本来筋注用であるが,眼科領域では長期間作用するステロイド薬として,後部テノン囊下注射や硝子体内注射により以前から広く用いられてきた
(ウ)ラニビズマブは加齢黄斑変性で視力改善が認められた薬剤である。抗VEGF単クローン抗体のFab 断片で,4 週ごとに硝子体内投与する
(エ)アイラミド配合懸濁性点眼液はブリモニジン酒石酸塩とブリンゾラミドの配合剤であり,β遮断薬を含む
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)くしゃみ・鼻漏型のアレルギー性鼻炎の治療では,抗ヒスタミン薬かケミカルメディエーター遊離抑制薬を主体とする
(イ)鼻閉型のアレルギー性鼻炎の治療では,抗ヒスタミン薬があまり効果を示さないことは臨床上よく経験される
(ウ)充全型のアレルギー性鼻炎では,くしゃみ,鼻汁,鼻閉の3大症状が出現し,その治療において3つの優先度に違いは設けない
(エ)舌下免疫療法は3~5年の継続が望ましいとされている
次の文中のa~dの組み合わせとして,正しいものはどれか。
耳鳴りに対しては,その原因疾患の治療を優先し,原因不明の難聴や原因治療で症状が良くならない場合の耳鳴りでは,内耳の血流改善の目的で[ a ]と[ b ]を治療の中心とする。また,より多くの血流改善の目的で[ c ]を使用し,効果を上げることがある。
(ア)a:ビタミンB12製剤
b:アデノシン三リン酸二ナトリウム製剤
c:ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合剤
(イ)a:ビタミンB1製剤
b:アデノシン三リン酸二ナトリウム製剤
c:ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合剤
(ウ)a:アデノシン三リン酸二ナトリウム製剤
b:ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合剤
c:ビタミンB1製剤
(エ)a:ビタミンB1製剤
b:ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合剤
c:アデノシン三リン酸二ナトリウム製剤
非ステロイド外用剤,ステロイド外用剤,保湿外用剤,乳剤性基剤を説明しているのはそれぞれa~dのどれか。
a.接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎を含む湿疹・皮膚炎群の対症外用療法に使用する
b.感作しやすいためアレルギー性接触皮膚炎の副作用に注意し,長期使用は避ける
c.アトピー性皮膚炎や乾皮症などのスキンケアとして使用する
d.角層に欠損がある場合,吸収が高まるので使用は避ける
(ア)非ステロイド外用剤―――a ステロイド外用剤ー――b
保湿外用剤ーーーc 乳剤性基剤ーーーd
(イ)非ステロイド外用剤―――b ステロイド外用剤ー――a
保湿外用剤ーーーc 乳剤性基剤ーーーd
(ウ)非ステロイド外用剤―――a ステロイド外用剤ー――b
保湿外用剤ーーーd 乳剤性基剤ーーーc
(エ)非ステロイド外用剤―――b ステロイド外用剤ー――a
保湿外用剤ーーーd 乳剤性基剤ーーーc
次のうち正しいものはどれか。
(ア)慢性蕁麻疹に対しては,個人差があるが,一般的には第1世代の抗ヒスタミン薬のほうが第2世代の抗ヒスタミン薬より効果が高いといわれ,ステロイド経口剤は漫然と使用しない
(イ)難治性の慢性蕁麻疹では,通常量の抗ヒスタミン薬で効果が得られない場合,増量を試みてよい
(ウ)疥癬の原因であるヒゼンダニは,寿命が尽きるまで4 ~ 6 週間にわたって1 日2~ 4個ずつ産卵しながら移動するが,イベルメクチンは卵に対しても有効である
(エ)蕁麻疹に対するグリチルリチン製剤静脈注射の使用は,フロセミドやサイアザイド系利尿薬との相互作用で血清Kが上昇することがある
次の文中のa~dの組み合わせとして,正しいものはどれか。
急性・慢性を問わず心不全では,長期予後を考慮した場合,内服薬としては[ a ]や[ b ],静注薬としては[ c ]や[ d ]などを優先的に投与し,これらの投与が難しい場合や治療効果が乏しい場合に[ e ]の投与を検討する。
(ア)a:硝酸薬 b:ACE阻害薬 c:β遮断薬 d:Na利尿ペプチド e:強心薬
(イ)a:強心薬 b:β遮断薬 c:硝酸薬 d:Na利尿ペプチド e:ACE阻害薬
(ウ)a:ACE阻害薬 b:強心薬 c:β遮断薬 d:Na利尿ペプチド e:硝酸薬
(エ)a:ACE阻害薬 b:β遮断薬 c:硝酸薬 d:Na利尿ペプチド e:強心薬
カテコラミン製剤の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)ドパミンは,高用量投与では腎動脈収縮による腎血流低下のため,利尿作用が減弱する
(イ)ドブタミンは,ドパミンに比較しα1受容体刺激作用や心拍数増加作用が小さいことや,β2受容体刺激作用による末梢血管拡張作用のため,心筋酸素消費量の増大は少ない
(ウ)アドレナリンは,β1受容体刺激作用が非常に強く,アナフィラキシーショックや心停止時の蘇生などに用いられる。催不整脈作用は弱く,気管支痙攣や手術時の局所止血にも用いる
(エ)ノルアドレナリンは,後負荷の増大,心筋酸素消費量増加,腎血流低下などのため,心不全に単独では用いず,他の強心薬で昇圧しない場合に使用する
Vaughan−Williams の分類と薬剤の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)Ⅰa群:キニジンーーー Ⅰb群:アプリンジン
(イ)Ⅰa群:リドカインーーー Ⅰc群:プロパフェノン
(ウ)Ⅱ群:ランジオロールーーーⅢ群:ジルチアゼム
(エ)Ⅱ群:アミオダロンーーー Ⅳ群 :ベラパミル
心房細動に対するアミオダロンの使用対象と治療目標として,誤っているものはどれか。
(ア)心不全なしの場合に,レート調節を目標に使用
(イ)器質的心疾患なしで,持続日数>7日の場合に,洞調律化を目標に使用
(ウ)器質的心疾患ありの場合に,洞調律化を目標に使用
(エ)器質的心疾患ありの場合に,再発予防を目標に使用
ア~エはそれぞれ,ニトログリセリン製剤,β遮断薬,長時間作用型硝酸薬,PDE阻害薬のいずれかについて述べている。ニトログリセリン製剤について述べているものはどれか。
(ア)硝酸薬およびニコランジルとの併用は禁忌である
(イ)使用後に頭痛・火照りを生じ,血圧低下を来すこともある(臥位,坐位での使用が望ましい)
(ウ)使用する場合には耐性を予防するため,数時間薬剤が血中に存在しない時間を設けることが推奨される
(エ)手術前中止との見解もあるが,現在では周術期心血管合併症を予防することが確立しており,ハイリスク例では継続する
狭心症の発作予防薬の説明で[ ]に当てはまるのはどれか。
短時間作用型[ ]では急激な降圧と反射性の交感神経緊張・頻脈により心事故の発生が増加するとされている。
(ア)ジルチアゼム
(イ)ベニジピン
(ウ)アムロジピン
(エ)ニフェジピン
実質的な利尿効果の強さを正しく表しているものはどれか。
(ア)サイアザイド系利尿薬>K保持性利尿薬>ループ利尿薬
(イ)サイアザイド系利尿薬>ループ利尿薬>K保持性利尿薬
(ウ)ループ利尿薬>サイアザイド系利尿薬>K保持性利尿薬
(エ)ループ利尿薬>K保持性利尿薬>サイアザイド系利尿薬
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)炭酸脱水酵素阻害薬は,利尿作用は弱く,一般的に利尿薬として使用されることはない
(イ)ループ利尿薬は,作用時間が短く,作用終了後はNa 再吸収が亢進する
(ウ)サイアザイド系利尿薬は,高用量まで投与量に依存して利尿効果が直線状に増加する
(エ)K保持性利尿薬は,RA 系抑制薬との併用では高K血症に注意が必要である
降圧薬(a),薬理作用(b),積極適応(c)の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)a:ACE阻害薬
b:心拍出量の低下,レニン産生抑制,中枢交感神経抑制
c:若年者,労作性狭心症,慢性心不全
(イ)a:Ca拮抗薬
b:冠動脈・末梢血管拡張作用,心収縮力の抑制,刺激伝導系の抑制
c:心・腎・脳の臓器合併症,糖尿病
(ウ)a:抗アルドステロン薬
b:ヘンレ係蹄上行脚でのNaClの再吸収を抑止,利尿効果
c:アルドステロン依存性高血圧,治療抵抗性高血圧
(エ)a:ARB
b:RA系の抑制,カリクレイン・キニン・プロスタグランジン系の増強
c:心筋梗塞後
降圧薬の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)リファンピシンやフェノバルビタールはCa 拮抗薬の作用を減弱させ,ジゴキシンの血中濃度を上昇させる
(イ)ARBは,少量のサイアザイド系・サイアザイド類似系利尿薬とは相性も良く,高K血症に予防的に働く
(ウ)ACE阻害薬服用者では,LDLアフェレーシスやある種の透析膜でショックを引き起こすので注意が必要である
(エ)β遮断薬の特異的な副作用である咳は,高頻度に起こるが重症度はまちまちである
次のエンドセリン(ET)受容体拮抗薬の説明で,a~cの組み合わせとして正しいものはどれか。
[ a ]はETA,ETB両受容体を拮抗し,特に病的血管で明らかな血管拡張作用を発揮する。[ b ]はETA受容体に対し高い親和性を示し,強力な肺動脈拡張作用を有する。[ c ]もETA,ETB両受容体に結合するが,ETA受容体への相対的親和性が高い。[ b ],[ c ]とも持続時間が長いため1日1回投与が可能である。
(ア)a:ボセンタン b:アンブリセンタン c:マシテンタン
(イ)a:ボセンタン b:マシテンタン c:アンブリセンタン
(ウ)a:マシテンタン b:アンブリセンタン c:ボセンタン
(エ)a:マシテンタン b:ボセンタン c:アンブリセンタン
血管拡張薬の分類と薬理作用の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)プロスタグランジンE1ーーー血小板凝集能抑制,血管拡張
(イ)可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬ーーー血管平滑筋細胞のcGMP濃度を上昇させ,肺血管を拡張
(ウ)プロスタサイクリン誘導体ーーー強力な血管拡張,血小板凝集能抑制
(エ)β2受容体刺激薬ーーー血管平滑筋細胞のcAMP濃度を上昇させ,平滑筋弛緩による血管拡張
次の呼吸障害治療薬の説明で,a~dの組み合わせとして正しいものはどれか。
呼吸興奮薬のうち,延髄の呼吸中枢に直接作用するのが[ a ]で,末梢性化学受容体を介して間接的に作用するのが[ b ]である。睡眠時無呼吸症候群に適応が認められているものに[ c ]がある。急性肺障害治療薬としては肺サーファクタントと[ d ]がある。
(ア)a:ドキサプラム b:ジモルホラミン c:アセタゾラミド d:シベレスタットナトリウム
(イ)a:ドキサプラム b:ジモルホラミン c:シベレスタットナトリウム d:アセタゾラミド
(ウ)a:ジモルホラミン b:ドキサプラム c:アセタゾラミド d:シベレスタットナトリウム
(エ)a:ジモルホラミン b:ドキサプラム c:シベレスタットナトリウム d:アセタゾラミド
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)アセタゾラミドは,高山病の予防薬としても用いられる。高地に行く前日から内服を開始し,到着後2〜3日服用する
(イ)特発性肺線維症治療薬の副作用は,ピルフェニドンは下痢,ニンテダニブは光線過敏症や食欲不振が特徴的である
(ウ)適応外だが,特発性肺線維症の早期にはN−アセチルシステイン吸入療法が,同じく急性増悪時にはステロイド療法や免疫抑制薬療法などが試みられる
(エ)特発性肺線維症は難病に指定されている特発性間質性肺炎の1つであるため,難病医療費助成制度や高額療養費制度を使って経済的負担を軽減することができる
粘稠度の高い痰に使用する去痰薬として不適切なものはどれか。
(ア)マクロライド系抗菌薬
(イ)経口ステロイド
(ウ)清肺湯
(エ)システイン系薬剤
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)中枢性鎮咳薬は,咳嗽のためQOLが著しく低下している場合に限って,一時的な対症療法として用いる
(イ)中枢性麻薬性鎮咳薬は,喀痰を伴う湿性咳嗽を有する症例には,原則として投与してはならない
(ウ)中枢性麻薬性鎮咳薬のデキストロメトルファンは,MAO阻害薬の併用は中枢のセロトニン濃度が上昇するため禁忌である
(エ)アセチルシステインはアンチオキシダント作用を有しており,間質性肺炎やCOPDの急性増悪の予防に有効との報告がある
気管支拡張薬として使用される5種類の抗コリン薬(イプラトロピウム,チオトロピウム,グリコピロニウム,アクリジニウム,ウメクリジニウム)のうち,短時間作用型に分類されるのはどれか。
(ア)イプラトロピウムのみ
(イ)イプラトロピウム,チオトロピウムの2種
(ウ)イプラトロピウム,チオトロピウム,グリコピロニウムの3種
(エ)イプラトロピウム,チオトロピウム,グリコピロニウム,アクリジニウムの4種
テオフィリン薬の血中濃度を上昇させるものはどれか。
(ア)リファンピシン
(イ)カルバマゼピン
(ウ)喫煙
(エ)シメチジン
気管支喘息の薬物療法に関するa~dの記述のうち,正しいものはいくつあるか。
(ICS:吸入ステロイド薬 LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬)
a:慢性期の持続型喘息患者における治療は,ICSが第一選択となる
b:抗アレルギー薬は,慢性期の治療薬としてICS に併用して用いられ,なかでもLTRA は有効である
c:ICSの全身性の副作用は,他剤形のステロイド薬とは比較にならないほど少ないが,それでも口腔・咽頭カンジダ症,嗄声など局所の副作用に加えて,眼への影響などがみられる
d:抗アレルギー薬の妊婦への影響に関してはヒトを対象とした研究がきわめて少ないが,クロモグリク酸ナトリウムは安全性が確立されている
(エ)Ⅱ群:アミオダロンーーー Ⅳ群 :ベラパミル
(ア)1つ
(イ)2つ
(ウ)3つ
(エ)4つ
喘息治療の治療ステップと対象症状の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)治療ステップ1ーーー症状が週1回未満
(イ)治療ステップ2ーーー症状が週1回以上,しかし毎日ではない
(ウ)治療ステップ3ーーー症状が週4回以上,しかし毎日ではない
(エ)治療ステップ4ーーー治療下でも増悪症状が毎日ある
抗コリン薬を①三級アミン合成抗コリン薬,②四級アンモニウム塩合成抗コリン薬,③選択的ムスカリン受容体拮抗薬に正しく分類しているものはどれか。
(ア)①ピペリドレート,チメピジウム,ブチルスコポラミン
②ブトロピウム,プロパンテリン
③N−メチルスコポラミン,チキジウム
(イ)①ピペリドレート,チメピジウム
②ブチルスコポラミン,ブトロピウム,プロパンテリン
③N−メチルスコポラミン,チキジウム
(ウ)①ピペリドレート
②チメピジウム,ブチルスコポラミン,ブトロピウム,プロパンテリン,N−メチルスコポラミン
③チキジウム
(エ)①ピペリドレート,チメピジウム,ブチルスコポラミン,ブトロピウム
②プロパンテリン,N−メチルスコポラミン
③チキジウム
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)抗コリン薬には内服薬と注射薬があり,静脈内投与は3 ~ 5 分で効果を発現するが,内服薬は効果発現に20 ~ 30分の時間を要し,腸管での吸収も悪いため,速効性は期待できない
(イ)小児では,使用される鎮痙薬は限られており,プロパンテリンのみが使われる
(ウ)抗コリン薬の副作用発現時には,薬剤の中止・減量が基本だが,拮抗薬としてネオスチグミンが用いられる
(エ)三級アミン合成抗コリン薬と四級アンモニウム塩合成抗コリン薬は,三環系抗うつ薬,フェノチアジン系薬,MAO 阻害薬,抗ヒスタミン薬で作用が増強する
a~dそれぞれが説明している腸疾患治療薬の組み合わせとして,正しいものはどれか。
a:細菌性毒素を吸着することによって腸管を保護する。軽〜中等度の細菌性下痢に使用する
b:乳糖不耐症の治療薬であるが,消化不良が関与した急性下痢症に用いることがある
c:オピオイド受容体に結合し,腸運動を抑制する。下痢の回数・量が多いときに使用する
d:腸粘膜蛋白に結合し,粘膜面を覆うことで炎症や腸蠕動を抑制する。軽〜中等度の下痢症で使用
(ア)a:アドソルビン b:ガランターゼ c:トリメプチン d:タンニン酸アルブミン
(イ)a:アドソルビン b:チラクターゼ c:タンニン酸アルブミン d:ロペラミド
(ウ)a:タンニン酸アルブミン b:ロペラミド c:トリメプチン d:アドソルビン
(エ)a:アドソルビン b:チラクターゼ c:ロペラミド d:トリメプチン
5−ASA 製剤の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)サラゾスルファピリジンは大腸で腸内細菌により,有効成分である5−ASAとスルファピリジンに分解される
(イ)ペンタサとアサコールはどちらも5−ASAの徐放剤であり,ペンタサは時間依存性徐放剤で小腸から大腸までの広い範囲で放出される
(ウ)現在ではペンタサ500mg錠が開発され活動期には1日3,000mg までの増量が承認されており,アサコール1日3,600mg投与との有効性はほぼ同等と考えてよい
(エ)5−ASA製剤の注腸製剤は,特に軽症から中等症の遠位大腸型や直腸型の潰瘍性大腸炎治療に推奨される
酸分泌抑制薬の種類とその説明の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)カリウムイオン競合型アシッドブロッカーーーー高ガストリン血症や細菌過剰繁殖を惹起する
(イ)プロトンポンプ阻害薬ーーー保険適用上,胃潰瘍・吻合部潰瘍では8週間,十二指腸潰瘍では6週間までの投与という制限がある
(ウ)H2 受容体拮抗薬ーーーNSAIDs服用歴のないH.pylori陽性潰瘍に対し,抗菌薬2剤との併用で最優先で用いられる
(エ)選択的ムスカリン受容体拮抗薬ーーー胃壁細胞,ヒスタミン分泌細胞のムスカリン受容体とアセチルコリンの結合を阻害し,胃酸分泌を抑制する
次のうち防御因子増強薬に分類されないものはどれか。
(ア)ミソプロストール
(イ)ピレンゼピン
(ウ)スクラルファート
(エ)テプレノン
次の胃腸機能改善薬のうち,運動促進作用をもつものはどれか。
(ア)メペンゾラート
(イ)アコチアミド
(ウ)ラモセトロン
(エ)カイトリル
次の胃腸機能改善薬の説明のうち,誤っているものはどれか。
(ア)ベタネコールは,消化性潰瘍,逆流性食道炎,膵炎が疑われる場合などには使用しない
(イ)メトクロプラミドは,長期連用を避けるべきである
(ウ)ラモセトロンは,便秘傾向がみられたら休薬が必要である
(エ)トリメブチンは,高濃度では消化管運動を亢進し,低濃度では消化管運動を抑制する
便秘治療薬の分類と成分名の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)膨張性下剤ーーーカルメロースナトリウム
(イ)粘膜上皮機能変容薬ーーーネオスチグミン
(ウ)IBAT阻害薬ーーールビプロストン
(エ)自律神経作用薬ーーーエロビキシバット
a~dで述べられている便秘治療薬の機序の正しい組み合わせはどれか。
[a]吸収上皮のイオン輸送機構に作用して分泌を促進する
[b]回腸末端の胆汁酸再吸収を司る胆汁酸トランスポーターに働く
[c]浸透圧により腸内に大量の水分を保持し,腸内容量を増大させる
[d]主に副交感神経を刺激して腸管運動を亢進させる
(ア)a:IBAT阻害薬 b:自律神経作用薬 c:塩類下剤 d:腸刺激性下剤
(イ)a:IBAT阻害薬 b:塩類下剤 c:腸刺激性下剤 d:自律神経作用薬
(ウ)a:粘膜上皮機能変容薬 b:IBAT阻害薬 c:塩類下剤 d:自律神経作用薬
(エ)a:塩類下剤 b:IBAT阻害薬 c:自律神経作用薬 d:腸刺激性下剤
次の文章の空欄a,bに当てはまる語の正しい組み合わせはどれか。
B型肝炎治療では,核酸アナログは薬剤耐性獲得リスクが少ないエンテカビル(ETV),テノホビル(TDF),テノホビルアラフェナミド(TAF)が第一選択。挙児希望・妊婦では[ a ]が第一選択,腎機能障害,低P血症,骨減少症・骨粗鬆症のある場合は[ b ]が第一選択
(ア)aーーーTDF bーーーETV,TAF
(イ)aーーーTAF bーーーETV,TDF
(ウ)aーーーETV,TAF bーーーTDF
(エ)aーーーETV,TDF bーーーTAF
服薬指導の内容として,適切でないものはどれか。
a:「B型肝炎の核酸アナログ製剤は,毎日欠かさず内服してください。自己判断による内服中断は肝炎悪化の危険性があり注意が必要です」
b:「B型肝炎の核酸アナログ製剤は,長期内服に伴う耐性ウイルスの出現から肝炎が悪化する可能性があり,定期採血が必要です」
c:「C型肝炎のRBV 併用療法もしくは直接作用型抗ウイルス薬併用療法は催奇形性の問題から,治療期間中と治療終了後1カ月間は避妊が必要です」
(ア)a (イ)b (ウ)c (エ)いずれも適切
胆道疾患治療薬・膵臓疾患治療薬の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)催胆薬は,閉塞性黄疸や急性炎症を認めるときや高度肝障害例には禁忌である
(イ)胆石に対する薬物治療は,純コレステロール結石で,大きさ15mm以内,胆囊機能が良好,症状が軽度の例が適応である
(ウ)重症急性膵炎では,厳重な呼吸・循環管理を行い体液量の補正を行う
(エ)軽症例や壊死性膵炎に対しては,予防的抗菌薬投与を検討し,経腸栄養を開始する
次の文章の空欄a~dに入る数字の組み合わせとして,正しいものはどれか。
ウルソデオキシコール酸は,胆道疾患,胆汁うっ滞を伴う肝疾患の利胆に対しては成人1 回[ a ]mgを1 日[ b ]回経口投与する。また,外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解に対しては,成人1日[ c ]mgを3 回分割経口投与する。錠剤をC 型慢性肝疾患における肝機能改善に用いる場合,1 日最大投与量は[ d ]mgである。
(ア)a:50 b:2 c:600 d:900
(イ)a:50 b:3 c:600 d:900
(ウ)a:100 b:2 c:900 d:1200
(エ)a:100 b:3 c:900 d:1500
次の痔疾患治療薬の説明のうち,誤っているものはどれか。
(ア)腫れが大きい急性期の痔核に対しては,軟膏よりも坐剤を処方する
(イ)坐剤は潤滑剤なしでは挿入しにくいことがあるため,坐剤の先端に塗る薬効の異なる大入り軟膏か鎮痛薬のキシロカインゼリーを処方する
(ウ)血栓性外痔核に対しては,腫脹・疼痛の程度がひどければステロイドの含有が多い薬剤を選択し,同時に消炎酵素,消炎鎮痛薬などを処方する
(エ)嵌頓痔核は激しい腫脹,疼痛を伴うため,高力価のステロイド含有剤を処方する
痔核治療薬ジオンについて説明した文章のなかで,誤っている記述をア~エから選べ。
ジオンは (ア)保存療法で軽快しない脱出を伴う内痔核 に対して適応となる。したがって,外痔核主体の痔核には適応とならず,内痔核でも線維化を来し硬くなっている例には効果は少ない。急性期の病態である嵌頓痔核も適応とならず薬物療法を優先する。(イ)原則として単独注射が基本だが, 手術療法にジオンを併用する工夫もされてきており,その際は外痔核や付随病変を合併する痔核全般に使用可能である。ただし重篤な合併症があるため,(ウ)内痔核治療法研究会の講習を受けた 専門医のみ使用が認められる。注射は(エ)痔核上極の粘膜固有層,痔核中央の粘膜下層,痔核中央の粘膜固有層,痔核下極の粘膜下層 の4段階に分けて行う。
制吐薬とその分類の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)イトプリドーーーNK1 受容体拮抗薬 モサプリドーーー5−HT4 受容体作動薬
(イ)アプレピタントーーーNK1 受容体拮抗薬 アザセトロンーーー抗ヒスタミン薬
(ウ)ブトロピウムーーー抗コリン作用薬 オキセサゼインーーー胃粘膜局所麻酔薬
(エ)ヒドロキシジンーーーフェノチアジン系薬 オランザピンーーーチエノベンゾジアゼピン系薬
次の各文章は,フェノチアジン系薬,抗ヒスタミン薬,D2受容体拮抗薬,NK1受容体拮抗薬のいずれかについて説明している。フェノチアジン系薬について説明しているものはどれか。
(ア)抗コリン作用薬との併用で消化管運動賦活化作用(コリン作用)が減弱する
(イ)中枢神経抑制薬,MAO阻害薬,アルコールとの併用で作用が増強する
(ウ)アドレナリンとの併用で重篤な血圧低下を来す
(エ)CYP3A4で代謝を受けるため,同様にCYP3A4で代謝を受ける薬剤との併用に注意する。特に併用することの多い制吐目的のステロイドの投与量は,通常の50%を目安に減量する
経口血糖降下薬の系統と分類の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)インスリン分泌非促進系ーーインスリン抵抗性改善系ーーα−グルコシダーゼ阻害薬
(イ)インスリン分泌非促進系ーー糖吸収・排泄調節系ーーーーSGLT2阻害薬
(ウ)インスリン分泌促進系ーーー血糖依存性ーーースルホニル尿素薬
(エ)インスリン分泌促進系ーーー血糖非依存性ーーGLP−1受容体作動薬
GLP−1受容体作動薬を血中半減期の長いほうから順に正しく並べたものはどれか。
(ア)リラグルチド > リキシセナチド > エキセナチド
(イ)リラグルチド > エキセナチド > リキシセナチド
(ウ)リキシセナチド > リラグルチド > エキセナチド
(エ)エキセナチド > リラグルチド > リキシセナチド
脂質異常症治療薬とその分類の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)エゼチミブーーーー小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
(イ)エボロクマブーーーPCSK9阻害薬
(ウ)ロミタピドーーーーMTP阻害薬
(エ)ニセリトロールーーー陰イオン交換樹脂
次のうち正しいものはどれか。
(ア)スタチンによるミオパチーの発症リスク因子は,高齢者,女性,腎機能低下,甲状腺機能低下症などがあり,高用量ほどリスクが増大する。
(イ)プロブコールは,スタチン,ジギタリス,ワルファリン,サイアザイド系薬,甲状腺ホルモン製剤などの吸収を干渉する。併用せざるをえない場合には,服用間隔をあけるように服薬指導する
(ウ)血清クレアチニン値が2.5mg/dLまたはクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者には,フェノフィブラートとクロフィブラートは禁忌である
(エ)PCSK9阻害薬は日本人ではフラッシングを起こしやすい。少量アスピリンとの併用が症状を抑制する。このほか,消化性潰瘍・耐糖能の悪化,尿酸値上昇などの副作用がある
ア~エはそれぞれ,フェブキソスタット,トピロキソスタット,ドチヌラド,ラスブリカーゼのいずれかについて説明しているが,このうちフェブキソスタットに当てはまるものはどれか。
(ア)わが国で開発された2剤目の非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬
(イ)他の尿酸排泄促進薬と比較し,相互作用や副作用が少ないことが期待されている
(ウ)軽~中等度の腎機能低下例には用量調節の必要がない
(エ)腫瘍崩壊症候群の発症リスクを考慮して投与を検討する
腎機能に応じたアロプリノールの推奨使用量として,正しいものはどれか。
(ア)Ccr>50mL/分:200〜400mg/日
(イ)Ccr>50mL/分:100〜300mg/日
(ウ)Ccr≦30mL/分:30mg/日
(エ)Ccr≦30mL/分:20mg/日
次の文章のa~dに入る語句の組み合わせとして,正しいものはどれか。
甲状腺機能低下症に対するレボチロキシンの投与は[ a ]するのが原則である。高齢者の場合は[ b ]からの開始が望ましく,増量する場合は[ c ]ごとに[ d ]ずつ行う
(ア)a:少量から開始し,ゆっくり増量 b:12.5~25μg c:4~8週 d:25~50μg
(イ)a:少量から開始し,ゆっくり増量 b:25~50μg c:4~8週 d:25~50μg
(ウ)a:最大量で開始し,ゆっくり減量 b:12.5~25μg c:4~8週 d:10~20μg
(エ)a:最大量で開始し,ゆっくり減量 b:25~50μg c:2~4週 d:25~50μg
次のうち誤っているものはどれか。
(ア)血中の甲状腺ホルモンの高い状態には,甲状腺機能亢進症とそれ以外のものがあり,甲状腺機能亢進症のみが抗甲状腺薬の適応となる
(イ)現在わが国で使用可能な抗甲状腺薬は,チアマゾールとプロピルチオウラシルの2 種類で,チアマゾールには注射薬もある
(ウ)抗甲状腺薬の投与は,妊娠を希望する場合や授乳中などはプロピルチオウラシルを,それ以外の場合はチアマゾールを第一選択薬とする
(エ)抗甲状腺薬の服用開始後,臨床効果が現れるのは1週間~10日後である
男性ホルモン剤について述べた文章中のa~cのうち,正しいものの組み合わせはどれか。
わが国でアンドロゲン作用を主目的に処方される経口剤はない[a]。 蛋白同化ステロイドとしてはメテノロン[b]があるが,主に軽度の再生不良性貧血の治療や筋肉増強剤として用いられている。経皮吸収剤としてわが国で使用できるのは一般用医薬品[c]の男性ホルモン軟膏である。
(ア)aとb
(イ)aとc
(ウ)bとc
( エ)すべて正しい
男性性機能薬のシルデナフィル(バイアグラ),バルデナフィル(レビトラ),タダラフィル(シアリス)の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)バイアグラは空腹時に服用するのが効果的である
(イ)レビトラは速効性があるため,空腹である必要はない
(ウ)シアリスは食事の影響を受けるため,投与のタイミングに気を付ける
(エ)バイアグラ,レビトラ,シアリスはいずれも硝酸薬との併用は禁忌である
女性ホルモン剤の説明として,正しいものはどれか。
(ア)機能性性器出血に対しては,エストロゲンとプロゲストーゲンの配合剤の1週間程度の投与で止血することが多い
(イ)月経異常の治療として,比較的軽度な場合のウフマン療法や比較的重度な場合のホルムストローム療法がある
(ウ)無月経のように長期間の治療が必要な場合は経口剤よりもデポー製剤が使いやすい
(エ)経口避妊薬の避妊率はほぼ100%である
ホルモン補充療法の方法として,不適切なものはどれか。
(ア)更年期障害の改善が目的なら1 〜2年の投与を行う
(イ)骨粗鬆症予防が目的なら10年程度の投与を行う
(ウ)投与期間は50 〜60歳が適当である
(エ)子宮がない症例ではエストロゲン単独を用いる
クロミフェンやシクロフェニルの単独投与では,何カ月妊娠しない場合に無効と判断されるか。
(ア)2カ月程度
(イ)4カ月程度
(ウ)6カ月程度
(エ)8カ月程度
hMG−hCG療法を行った場合の多胎率は何%程度と報告されているか。
(ア)5%
(イ)20%
(ウ)30%
(エ)40%
骨・カルシウム代謝薬の成分名とその分類の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)ロモソズマブーーー ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体
(イ)テリパラチドーーー 副甲状腺ホルモン製剤
(ウ)ラロキシフェン塩酸塩ーーー選択的エストロゲン受容体調節薬
(エ)カルシトリオールーーーーー活性型ビタミンD3 製剤
次に挙げる特徴をもつのは,どのビスホスホネート製剤か。
-
静脈内投与可能な窒素含有ビスホスホネートのため,消化器系の副作用を回避できる
-
1カ月に1回の静脈投与でリセドロン酸連日2.5mg/日投与と比べて非劣性。月1回の経口剤(100mg)も使用可能
-
高度腎障害で慎重投与
-
アミノビスホスホネートのため,顎骨壊死・非定型骨折のリスクは基本的に変化せず
(ア)ミノドロン酸
(イ)エチドロン酸
(ウ)イバンドロン酸
(エ)ゾレドロン酸
a~dはそれぞれウラピジル,タダラフィル,デュタステリド,クロルマジノンのいずれかの作用機序について述べている。正しい組み合せはどれか。
a:前立腺細胞へのテストステロンの取り込み阻害,DHT濃度の低下などにより前立腺肥大抑制・縮小
b:前立腺および尿道の平滑筋にあるα1 受容体を阻害し,前立腺・尿道を弛緩
c:NOの作用を増強して尿道,前立腺,膀胱頸部を弛緩
d:DHTの濃度を下げ,前立腺を縮小
(ア)aーーーウラピジル bーーータダラフィル cーーーデュタステリド dーーークロルマジノン
(イ)aーーータダラフィル bーーーウラピジル cーーーデュタステリド dーーークロルマジノン
(ウ)aーーータダラフィル bーーークロルマジノン cーーーウラピジル dーーーデュタステリド
(エ)aーーークロルマジノン bーーーウラピジル cーーータダラフィル dーーーデュタステリド
次の文章中のa~dに当てはまる略語の組み合わせとして,正しいものはどれか。
[ a ]とは,前立腺の良性過形成による下部尿路機能障害を呈する疾患で,通常は,解剖学的に[ b ]と機能的に[ c ]を示唆する[ d ]を伴うものと定義されている
(ア)aーーーBPE bーーーBPH cーーーBOO dーーーLUTS
(イ)aーーーBPH bーーーBOO cーーーBPE dーーーLUTS
(ウ)aーーーBPH bーーーBPE cーーーBOO dーーーLUTS
(エ)aーーーBPH bーーーBPE cーーーLUTS dーーーBOO
過活動膀胱診療ガイドラインで推奨グレードAとされている薬物は,漢方薬,抗コリン薬,β3作動薬,三環系抗うつ薬,フラボキサートのうちどれか。
(ア)漢方薬と抗コリン薬
(イ)抗コリン薬とβ3作動薬
(ウ)β3作動薬と三環系抗うつ薬
(エ)漢方薬とフラボキサート
腹圧性尿失禁の薬物療法について,正しいものはどれか。
(ア)エストロゲンは,尿道平滑筋の交感神経α受容体を増加させるとともに尿道粘膜に直接作用し,尿道抵抗を増加させる
(イ)初期治療として薬物療法を行い,効果がみられない場合は骨盤底筋体操を行う
(ウ)第1選択の薬剤はクレンブテロールの単独投与である
(エ)クレンブテロールは有害事象が多いため,高齢者への処方には注意を要する
子宮収縮薬のうち,産後の子宮復古不全に対して内服薬として使用できる唯一の薬物はどれか。
(ア)メチルエルゴメトリン
(イ)ゲメプロスト
(ウ)ジノプロストン
(エ)オキシトシン
誤っているものはどれか。
(ア)リトドリンは,妊娠16 週以降の切迫流産および切迫早産に対する第1選択薬の一つであり,48 時間以内の持続点滴投与法が有用とされている
(イ)ダナゾールは,子宮内膜症の治療薬としては最も古くから使用されており,重篤な副作用を認めたため一時使用が控えられたが,低用量長期投与など投与方法の工夫により有効性が見直されてきている
(ウ)GnRH アゴニストは子宮内膜症の治療薬としては治療効果が高く,薬物療法の中心となっている。点鼻剤と注射剤がある
(エ)ジエノゲストは第四世代のプロゲスチン製剤に分類され,GnRHアゴニストと比較して,更年期症状を起こしやすく骨密度の低下が大きいが,不正性器出血が少ないというメリットがある
ビタミンとその欠乏症状の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)チアミンーーー脚気,ウェルニッケ脳症,多発神経炎,乳酸アシドーシス
(イ)リボフラビンーーー口内炎,口角炎,全身倦怠感,脂漏性皮膚炎
(ウ)ピリドキシンーーー骨軟化症,テタニー,骨粗鬆症
(エ)パントテン酸ーーー皮膚炎,下腿の灼熱感,手足麻痺
正しいものはどれか。
(ア)TPN では,重篤な代謝性アシドーシスの予防にビタミンB6の投与が必要である
(イ)TPN 開始当初から微量元素製剤の使用が推奨される
(ウ)経腸栄養として成分栄養剤・消化態栄養剤を長期投与する際には,必須脂肪酸の過剰に留意する
(エ)胃潰瘍治療薬のポラプレジンクは亜鉛の補給に有効であり,保険適応を取得している
ア~エはそれぞれ1~4号輸液のいずれかの特徴を述べている。2号液について述べているものはどれか。
(ア)使用頻度が最も高く,脱水を補正した後に,水分と電解質を維持し,脱水を防ぐために使用される
(イ)輸液後に細胞外液内に分布する量が等張液より少なく,循環系への負担が小さい。病態の詳細が不明な際に,より安全に投与できる
(ウ)K濃度が低く,腎障害患者にも使用可能である
(エ)Na濃度は等張液の約40 〜55%である。使用頻度は高くないが,細胞内に多いK,Mg を補給することができる
次の文章中のa~cに入る数字の組み合わせとして,適切なものはどれか。
-
Na製剤による低Na血症の補正は[ a ]mEq/L/日を超えない速度で行う
-
K の投与速度は[ b ]Eq/時を超えてはならない
-
低P 血症では,リン酸製剤を血清リン値が[ c ]mg/dL以上になるまで補充する
(ア)aーー12 bーー20 cーー2.5
(イ)aーー20 bーー20 cーー3
(ウ)aーー20 bーー30 cーー3
(エ)aーー25 bーー20 cーー3
止血薬の分類と成分名の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)血管増強薬ーーーアルギン酸ナトリウム
(イ)血液凝固促進薬ービタミンK
(ウ)抗線溶薬ーーーーカルバゾクロムスルホン酸ナトリウム
(エ)局所止血薬ーーートラネキサム酸
抗血小板薬と作用機序の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)プラスグレルーーーP2Y12受容体に非可逆的に結合し,ADP誘発による血小板凝集を抑制
(イ)チカグレロルーーーPDE5を阻害することにより血小板のcGMP濃度を上昇させ,血小板活性化を抑制
(ウ)サルポグレラートーーーアデニル酸シクラーゼを活性化し,cAMP濃度を上昇させ,血小板活性化を抑制
(エ)ベラプロストーーーPDE3を阻害することにより血小板のcAMP濃度を上昇させ,血小板活性化を抑制
ア~エの局所止血薬のうち,剤形がスポンジ状のシートのものはどれか。
(ア)トロンビン
(イ)アドレナリン
(ウ)フィブリノゲン配合剤
(エ)フィブリノゲン加第ⅩⅢ因子
直接阻害型経口抗凝固薬(DOAC)のうち,直接トロンビン阻害薬はどれか。
(ア)ダビガトラン
(イ)リバーロキサバン
(ウ)アピキサバン
(エ)エドキサバン
鉄剤の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)消化管刺激による消化器症状がしばしば認められる
(イ)ビタミンC や他の栄養素の補充は一般的に必要ない
(ウ)鉄療法が奏効した場合は1週間以内に網状赤血球の増加を認め,2 〜4 週でヘモグロビンレベルは有意に増加し,1 〜3カ月で正常レベルに達する
(エ) 経口鉄剤での治療は2〜4週間継続する必要がある。貧血を改善させるだけでなく,鉄貯蔵を満たすためである
次の特徴をもつ造血薬の分類はどれか。
-
種々の要因による好中球減少時での増加促進,またそれに伴う感染症の予防,治療に用いられる
-
造血幹細胞の末梢血への動員作用があり,末梢血幹細胞採取時に用いられる
-
骨髄性白血病の芽球を増加させる可能性があり,芽球が十分に減少していない骨髄性白血病への使用は原則禁忌とされる
(ア)トロンボポエチン受容体作動薬
(イ)G−CSF 製剤
(ウ)低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬
(エ)赤血球造血刺激因子製剤
次の文章中のa~cに当てはまる数字の組み合わせとして,正しいものはどれか。
輸血用血液のうち,全血液,赤血球液はともに全血[ a ]mL 由来が1 単位と称され,有効期間は採血後[ b ]日間で,[ c ]℃で保存する
(ア)aーー100 bーー21 cーー1~4
(イ)aーー100 bーー28 cーー2~6
(ウ)aーー200 bーー21 cーー2~6
(エ)aーー200 bーー28 cーー1~4
血漿分画製剤とその主な使用目的の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)活性化プロトロンビン複合体ーーー血友病A
(イ)血液凝固第Ⅸ因子製剤ーーー血友病B
(ウ)トロンビンーーー出血局所への塗布による止血
(エ)ハプトグロビンーーー溶血時に遊離ヘモグロビンの処理
正しいものはどれか。
(ア)胃癌は約10年前からわが国の癌死亡者数の第1 位を占め,特に男性で死亡率が高い
(イ)小細胞肺癌は全身化学療法が推奨され,シスプラチン(CDDP)+エトポシド(VP−16)が行われ,進展型ではCDDPに代わりイリノテカン(CPT−11)が併用されることもある
(ウ)乳癌は20~30代女性に多く,女性の癌では罹患率1位となったが,自己検診やマンモグラフィなどで早期に発見できれば治癒に至る例も多い
(エ)「エドルミズ」(アナモレリン塩酸塩)は国内初の癌悪液質治療薬として承認された
St. Gallenコンセンサス会議で治療の指針が議論され示されている癌種はどれか。
(ア)肺癌
(イ)胃癌
(ウ)大腸癌
(エ)乳癌
白血病の分類と略語の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)急性骨髄性白血病ーーーAPL
(イ)急性リンパ芽球性白血病ーーーALL
(ウ)慢性骨髄性白血病ーーーCLL
(エ)慢性リンパ性白血病ーーーCML
白血病の一般的な治療の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)未治療急性骨髄性白血病では,アントラサイクリン系薬とシタラビンを軸にした寛解導入療法と,シタラビン大量療法を含む寛解後療法が選ばれる
(イ)急性骨髄性白血病では,全体として完全寛解率は50~65%,5年無再発生存率は30〜35%,5年全生存率は40%前後と考えられる
(ウ)Philadelphia 染色体陰性の思春期・若年成人の急性リンパ芽球性白血病では,小児型の治療プロトコールが選択される
(エ)慢性骨髄性白血病では,BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブ,ニロチニブ,ダサチニブのいずれも第一選択薬として推奨される
誤っているものはどれか。
(ア)アシミニブは,慢性骨髄性白血病に対するBCR::ABL1チロシンキナーゼ阻害薬として6番目に承認された
(イ)「ダルビアス」は有機ヒ素製剤で,腫瘍細胞のミトコンドリア障害作用および細胞内活性酸素の増加により抗腫瘍効果を発揮する点滴静注薬である
(ウ)「エザルミア」は,ATLに過剰発現しているEZH1およびEZH2のメチル化活性を阻害し,アポトー
シス誘導し,腫瘍増殖を抑制する注射薬である
(エ)ポラツズマブ ベドチンは,2022年8月に初発DLBCLにも適応拡大された
免疫抑制薬と適応の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)シクロスポリン―――ベーチェット病,非感染性ぶどう膜炎,乾癬
(イ)アザチオプリン―――ネフローゼ症候群,ループス腎炎,関節リウマチ
(ウ)ミゾリビン―――クローン病,潰瘍性大腸炎,リウマチ性疾患
(エ)ミコフェノール酸―――クローン病,潰瘍性大腸炎,ループス腎炎
ア~エはそれぞれ,シクロスポリン,アザチオプリン,ミコフェノール酸,エベロリムスのいずれかの注意すべき主な副作用である。ミコフェノール酸はどれか。
(ア)腎障害,高血圧,糖尿病,肝障害,多毛,手指のふるえ,歯肉肥厚,中枢神経障害
(イ)肝障害,白血球減少,吐き気,脱毛,口内炎
(ウ)脂質異常,血液障害,下痢,口内炎,間質性肺疾患
(エ)下痢,腹痛,吐き気,白血球減少,貧血,高尿酸血症
誤っているものはどれか。
(ア)mTOR阻害薬は,細胞周期のG1 期からS 期への誘導に関与する主要な調節蛋白であるmTORに結合して細胞増殖シグナルを阻害する
(イ)特定薬剤治療管理料2を算定できる免疫抑制薬は,シクロスポリン,タクロリムス,エベロリムス,ミコフェノール酸である
(ウ)シクロスポリンは,ピタバスタチン,ロスバスタチンとは併用禁忌である
(エ)ミゾリビン,ミコフェノール酸は腎排泄型であるため,腎障害時には投与量の減量が必要である
解熱・鎮痛・抗炎症薬の分類と成分名の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)プロピオン酸系ーー―アスピリン
(イ)サリチル酸系ーー―ジクロフェナクナトリウム
(ウ)ピラゾロン系ーー―アセトアミノフェン
(エ)ピラノ酢酸系ーー―エトドラク
半減期の長い順に並んでいないものはどれか。
(ア)アンピロキシカム > スリンダク > イブプロフェン
(イ)メロキシカム > ロルノキシカム > ロキソプロフェンナトリウム
(ウ)ナプロキセン > ロルノキシカム > セレコキシブ
(エ)スリンダク > エトドラク > イブプロフェン
正しいものはどれか。
(ア)コデインの鎮痛効果は,モルヒネと比べて1/10程度である
(イ)経口投与時の用量比は,モルヒネ:トラマドール= 1:3である
(ウ)モルヒネはグルクロン酸抱合を受け,活性代謝物のM3Gと活性のないM6Gに代謝される
(エ)フェンタニルはμ1 受容体への親和性が低く,μ2 受容体への親和性が高い
ア~エは,それぞれμ1,μ2,κ,δ受容体のいずれかと関連する生理作用を示す。κ受容体と関連するのはどれか。
(ア) 鎮痛,鎮静,呼吸抑制,身体・精神依存,消化管運動抑制,鎮咳
(イ) 鎮痛,鎮静,身体違和感,気分不快,興奮,幻覚,鎮咳,呼吸抑制,縮瞳,利尿
(ウ) 鎮痛,身体・精神依存,呼吸抑制
(エ)鎮痛,悪心・嘔吐,多幸感,瘙痒感,縮瞳,尿閉
副腎皮質ステロイドと作用時間分類の組み合わせとして,正しいものはどれか。
(ア)ヒドロコルチゾンーーー短時間型
(イ)ベタメタゾンーーー中間型
(ウ)プレドニゾロンーーー長時間型
(エ)トリアムシノロンーーー長時間型
副腎皮質ステロイドの副作用のうち,ステロイド補充で対処するものはどれか。
(ア)血栓症
(イ)ミオパチー
(ウ)腱断裂
(エ)続発性副腎皮質機能不全
次の抗ヒスタミン薬のうち,第1世代に分類されるものはどれか。
(ア)オキサトミド
(イ)クロルフェニラミン
(ウ)オロパタジン
(エ)ケトチフェン
糖質コルチコイドの作用の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)肩,顔面,腹部の脂肪沈着を増加させる
(イ)ノルアドレナリンやアンジオテンシンⅡによる血管収縮を増強する
(ウ)末梢のリンパ球,好酸球,好塩基球,単球を減少させ,多形核白血球を増加させる
(エ)K+とH+の尿中への排泄を増加させる
副腎皮質ステロイドの併用薬(a)と,相互作用で起こり得る臨床症状(b)の組み合わせとして,誤っているものはどれか。
(ア)a:デスモプレシン b:低Na血症
(イ)a:利尿薬 b:低K血症
(ウ)a:フェニトイン b:ステロイドの作用増強
(エ)a:活性型ビタミンD3製剤 b:尿路結石
抗アレルギー薬の分類として,誤っているものはどれか。
(ア)プランルカストーーーロイコトリエン受容体拮抗薬
(イ)オザグレルーーーTh2サイトカイン阻害薬
(ウ)ラマトロバンーーートロンボキサンA2 受容体拮抗薬
(エ)トラニラストーーーメディエーター遊離抑制薬
次の抗ヒスタミン薬のうち,脳内H1受容体占拠率が20%未満のものはどれか。
(ア)ルパタジン
(イ)メキタジン
(ウ)オキサトミド
(エ)ケトチフェン
抗アレルギー薬の説明として,誤っているものはどれか。
(ア)ロイコトリエン受容体拮抗薬は,特に鼻閉症状の強い症例で効果が著明であることが多い
(イ)吸入ステロイドに長時間作用型β2刺激薬,テオフィリン徐放製剤,LTRAなどを併用しても喘息コントロールが不十分な症例に,Th2サイトカイン阻害薬をさらに追加すると,症状や呼吸機能が改善する場合もある
(ウ)トロンボキサンA2受容体拮抗薬は,喘息治療では他剤よりも高い臨床効果が認められるが,肝機能障害や溶血性貧血などの副作用があり,使用機会は少ない
(エ)メディエーター遊離抑制薬は以前より喘息治療薬として使用され,安全性も高い。特にクロモグリク酸ナトリウムの吸入は小児喘息での有用性が高い
次の文章中のa~cに入る数字の組み合わせとして,適切なものはどれか。
関節リウマチは,[ a ]歳代まで広く分布するが[ b ]歳代に好発し,男女比は約1:[ c ]である
(ア)aーー20 〜70 bーー40〜60 cーー5 〜6
(イ)aーー20 〜70 bーー30〜50 cーー3 〜4
(ウ)aーー10 〜80 bーー40〜60 cーー5 〜6
(エ)aーー10 〜80 bーー30〜50 cーー3 〜4
抗リウマチ薬を従来型DMARD(csDMARD),分子標的型DMARD(tsDMARD),生物学的製剤(bDMARD)に分類したときに,分類と薬剤の組み合わせとして誤っているものはどれか。
(ア)csDMARDーーバリシチニブ
(イ)tsDMARDーートファシチニブ
(ウ)tsDMARDーーフィルゴチニブ
(エ)bDMARDーーアダリムマブ
抗リウマチ薬について説明する文章のa~dに入る語句の組み合わせとして,適切なものはどれか。
軽症例では[SASP・IGU]が用いられることが多く,中等症以上では[MTX]の積極的かつ慎重な投与が推奨される。[TAC]は高価であったが安価な後発品が使用できるようになり,前述の
csDMARDの効果不十分例,および使用困難例で用いられる。[BUC・GST]の使用頻度は低下しているが,他薬使用困難症例で用いられることがある
(ア)a:BUC・GST b:MTX c:TAC d:SASP・IGU
(イ)a:SASP・IGU b:MTX c:TAC d:BUC・GST
(ウ)a:SASP・IGU b:MTX c:BUC d:TAC・GST
(エ)a:SASP・IGU b:BUC c:IGU d:MTX・GST
次のうち,抗リウマチ作用が最も弱いものはどれか。
(ア)オーラノフィン
(イ)バリシチニブ
(ウ)メトトレキサート
(エ)ブシラミン
次の文章中のa~cに入る数字の組み合わせとして,適切なものはどれか。
[ a ]の一部は結核菌まで抗菌スペクトルを示す。[ b ],ホスホマイシンはグラム陽性菌,グラム陰性菌のみ,[ c ]はグラム陽性菌のみに抗菌スペクトルを示す
(ア)a:アミノグリコシド系 b:グリコペプチド系 c:βラクタム系
(イ)a:グリコペプチド系 b:βラクタム系 c:アミノグリコシド系
(ウ)a:アミノグリコシド系 b:βラクタム系 c:グリコペプチド系
(エ)a:グリコペプチド系 b:アミノグリコシド系 c:βラクタム系
抗菌薬のうち蛋白合成阻害薬の説明として,正しいものはどれか。
(ア)蛋白合成阻害薬は,細胞質に入り蛋白合成を阻害するが,アミノグリコシド系,テトラサイクリン系は初期段階で,オキサゾリジノン系,マクロライド系,クロラムフェニコールは終期段階で阻害する
(イ)テトラサイクリン系,マクロライド系,クロラムフェニコールの殺菌作用は弱く,静菌的である
(ウ)アミノグリコシド系は殺菌作用がきわめて速やかであり,時間依存的に作用する
(エ)ア~ウは,いずれも誤りである
セフタジジムは,セフェム系のどの世代に分類されるか。
(ア)第1世代
(イ)第2世代
(ウ)第3世代
(エ)第4世代